言語、論理学を巡る哲学的考察を収めるとともに、20世紀においてその考察に寄与した哲学者たちについて論じた。とくに、言語行為の概念が哲学から経験科学へ咀嚼されている段階で忘れられているかもしれない論点を明示した。
3,800円+税 ISBN:978-4-87424-455-5
2009年9月11日発売
A5判,436頁
【目次】
I. なぜ言語があるのか
1. 言語行為論入門
2. オースティンの言語行為論
3. 言語行為における記号と言語
4. 言語行為における「意図」の問題
5. 言語行為のなかの指示
6. 何種類の言語行為があるか
7. 音声対話システムが教えること
8. 間接的言語行為という偽問題
9. ゲームの一手としての語
II. ウィトゲンシュタイン再入門
10. 「語用論」と「意味の使用理論」
11. 漸次発展的言語観
12. 規則への懐疑
13. 心と言葉
14. 外在的な心の哲学の構想
15. ウィトゲンシュタインの読み方
16. ウィトゲンシュタインと現代日本哲学
17. 『原論考』三・二〇二
III. 実在論的言語論の試み
18. 言語と認知の哲学的諸問題の概略と今後
19. 唯名論的言語論の可能性
20. 記号と情報
21. 日本における分析哲学の現状、終焉あるいは将来
22. 哲学と科学の正しい関係
IV. 近代論理学史と言語哲学
23. フレーゲにおける固有名の意味について
―『意味と指されるものについて』論文冒頭箇所の解釈
をめぐって
24. フレーゲの『概念記法』(一八七九)の目的について
―言語の概念をめぐって
25. ゲーデルから学んではならないもの
26. フォン・ノイマンの限界
27. 分析と解析
28. 論理学と言語研究